MySQL Cluster近況

先日のDevMeetingで見てきたものの中で、最も興味深いのはMySQL Clusterのオンラインノード追加であろう。DevMeetingではJonasができあがっているところまでデモをしてくれたのだが、まったくもって素晴らしい。彼のブログ（下記）に詳細が載っているが、あえてここでも紹介したいと思う。
http://jonasoreland.blogspot.com/2008/08/status-of-createdrop-nodegroup.html

これまでMySQL Clusterを使わない、もしくは避けてきたユーザが口を揃えて言うセリフは「だってデータノードを動的に増やせないでしょ？！」であった。しかし、近い将来にリリースされるバージョンでは、オンラインノード追加という機能が追加される予定である。これは平たく言うとオンラインでデータノードを追加する機能である。（そのまんまやんけ！）今のバージョン（6.3.x）では動的にデータノードを追加することは出来ないのだが、もうすぐすればもう「データノードを動的に増やせないから」なんて決して言わせはしない！！のである。

オンラインデータノード追加とはどのような手順で行うのだろうか。以下に2つのデータノード（NoOfReplicas=2）で構成されたクラスタに、さらにデータノードを2つ追加する手順について述べてみよう。（ほとんどJonasのブログを訳しただけだが。）

1. config.iniを書き換えて追加する2つのノードに関する情報を記述する。
2. 管理ノードを再起動する。
3. 稼働中の2つのデータノードをローリングリスタートする。
4. 新しく追加する2つのデータノードを開始する。
5. 追加した2つのノードを使用して、新しくノードグループを作成する。（ndb_mgm> create nodegroup n1,n2）
6. 既存のテーブルのパーティションを再構成する。
   

ステップ5におけるn1,n2は新しく追加するデータノードx2である。ステップ5により、既存のノードグループに加えて新しいノードグループが作成されることになるのである。Jonasはステップ6のことを、テーブル・リオーグ（re-organizationの略）と呼んでいたが、この操作が実際にリオーグと呼ばれるかどうかは定かではないらしい。

このような手順でデータノードが追加されるわけであるが、もちろんこの間一切トランザクションを停止する必要はない！！まさにオンラインなのである。あっぱれ！！

負荷が増えた場合にどのようにスケールアウトするかがMySQL Clusterの課題であったので、この点を解消するオンラインデータノード追加機能によりユーザにとっての障壁が減り、その結果MySQL Clusterのユーザが増えることであろう。というわけで将来のリリースに乞うご期待！！

ところで話は変わるが、現時点で最新バージョンであるMySQL Cluster 6.3のバイナリが公開されている。先日まで、

• バイナリ形式のディストリビューションは6.2が最新
• 6.3はソースコードによる配布のみ

というちょっとおかしな状態であったが、現在ではいずれもバイナリ形式で配布されているのでぜひ6.3を試してみて欲しい。かなり性能アップに繋がる改善がなされているのである。

MySQL Cluster Downloads
http://dev.mysql.com/downloads/cluster/index.html

ちなみに、最新版は6.3.18であるが上記のサイトでは入手できない。（バイナリによる配布は6.3.17までである。）ただしソースコードを以下のFTPサイトから入手できる。
ftp://ftp.mysql.com/pub/mysql/download/cluster_telco/mysql-5.1.28-ndb-6.3.18/

最新のバージョンをどうしても使いたい！！という人は、ここからダウンロードして自分でビルドしよう。