http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/04/news064.html
SSDの価格はまだ高いので、安価なHDDと組み合わせるそうだ。SSDとHDDを組み合わせたハイブリッドなストレージプールが利用できるそうだ。(ストレージプールとは、ZFSがディスクを管理する単位のこと。LVMでいうところのVGのようなものと言えば分かりやすいだろうか。)
最初の書き込みをSSDに行い、バックグラウンドでHDDにコピーするというやり方が取られるだろうと想像する俺であるが、他に実装方法があるなら聞いてみたい。しかしもしそうならNetAppのNVRAMと似たような使い方になることが予想されるので、またもやSunとNetAppの起訴合戦が勃発するだろう。。。南無三!!!
とりあえず上記のような実装であると仮定して話を進めると、SSD最大の弱点である「セルあたりの書き換え回数の制限はだいたい100万回まで」というのが露呈してしまうことになるだろう。なぜならば、高速な書き込み性能を発揮するSSDに対して書き込みが集中するからである。大丈夫だろうか。ただ、ZFSは追記型のファイルシステムなので欠点を上手く回避できるのかも知れないなーと何となくく予想している。(つまり同じ場所に集中して書き込みが行われない。)NetBSDのLSFとかの方がさらにSSDと相性が良いかも知れない。
SSDの価格の下落幅は大きいし、この手の用途であればバッテリバックアップつきのDRAMデバイスを使った方が安全&安価であるので、登場してきたとしても賞味期限が短い商品のように思える。個人的にはHDDを全てSSDに置き換えたほうがいいと思っている。SSDのメリットを最大限享受できるからだ。SSDは部品点数もHDDより少なく、その上消費電力も低い。そして性能が良いので良いことずくめだ。価格以外は。しかし価格の問題はすぐに解消されるだろう。SSDがHDDを駆逐する日が待ち遠しい今日この頃である。
本格的にSSDが普及し始めたら、IT業界において様々な部分において影響が出るだろう。最も大きな影響があると予想されるのは以下の3つだ。(俺の勝手な予想なので鵜呑みにしないように!!)
- ファイルシステム
- データベース
- ノートパソコン
1. ファイルシステム
これまでHDDのヘッドがシークする時間を小さくするような最適化がなされてきたが、SSDになればそれはまったく必要なくなるだろう。SolarisのUFSなどでは、iノードの領域とデータの領域をそれぞれ連続して確保するのではなく、iノード領域1・データ領域1・iノード領域2・データ領域2・・・というように交互に領域を割り当てているが、これはまさしくシーク時間を短くするための工夫だ。SSDならこのような工夫は必要ないので、
- ファイルシステムがシンプルな実装で済む。
- ディスク上のデータのレイアウトが変わる。
2. データベース
現在、データベースもHDDのヘッドシーク時間を減らすような最適化がなされている。データベースでさらに特徴的なのは、ACIDのD、つまりデータの永続性(Durability)を保証するためにディスクへのフラッシュ(ファイルシステムのキャッシュ上から完全にディスクへ書き込むこと)が頻繁に起きる。フラッシュの性能はSSDの方が高いため、データベースの書き込み性能が飛躍的に伸びるのではないかと予想している。
MySQLのPBXTプラグインのように、追記型のデータベースエンジンの方がSSDとは相性が良いだろう。(PBXTのページにもそう書いてあるし!)
3. ノートパソコン
HDDは電力をたくさん消費するデバイスの一つであるが、それがSSDに置き換わることでバッテリの持続時間がさらに延びることになるだろう。最近ではAtomのように消費電力が低いCPUが搭載されるようになる傾向が見受けられるので、そうなるとノートパソコンにおいて最も電力を消費するパーツがディスプレイということになる。ということでディスプレイの低消費電力化が進むことだろう。やはり大本命は有機ELだろうか。
というわけで色々書き連ねてみたのだが、SSDを搭載したノートパソコンが欲しいだけだったりするオトコであった。
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