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2008-06-19

映画をTVで放映するのを止めたらどうか。

ITMediaの記事より、
「タイムシフト目的の録画でも、製作者にフィードバック必要」——映像ソフト協会
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/19/news082.html

だそうだ。

理論の骨子は簡単に極論(ぉぃ)すると「タダで録画する行為は映像ソフトの経済価値を下げてしまうので許すべきではない」ということだろうか。オープンソースソフトウェアに携わる身としては、このような考え方に対して幾許かの反発を覚える。

そもそも、どうしても録画を回避したければいっそのこと放映を取りやめればいいんじゃなかろうか。TVが電波を受信して映像をリアルタイムで再生するという仕組みで成り立っている以上、完全にそのデータを保護するのは理論的には不可能だ。もっと平たく言うと、再生できるならコピーも出来るということだ。どうしても保護したいなら、放映しないでおくしかない。映像ソフト協会さんがいうところの「パッケージ商品の販売」だけを行えばいいんじゃないだろうか。

しかしそんなことをすれば困るのはコンテンツ作成者だろう。TVは庶民が最も手軽にアクセスできるメディアの一つであり、コンテンツを提供することはそのコンテンツそのものを広く宣伝することにも繋がる。多くの視聴者がコンテンツを観てそれを気に入れば、シリーズや続編などの宣伝効果があるのでむしろコンテンツ作成者にとっては収益を拡大するチャンスなのである。具体的に例を挙げると、ドラマの「踊る大捜査線」が人気を博して映画化されたというものがあるが、ドラマを放映しなければ人気が出ることもあり得ず、従って映画による収益も期待できなかったことだろう。そのチャンスを不意にしていいのか?!

アニメ番組に関しても言及されているが、アニメは先に放映されてからパッケージ商品が出るのが問題なのだそうだ。それほど問題ならなぜ順番を入れ替えないのか?!と言いたい。

以上のことをまとめると、

放映によるメリットを無視して、録画による損失だけを取り上げてはいけない!

ということだ。

損失が嫌なら放映しなければいいが、放映によるメリットを失っても文句を言ってはいけない。コンテンツ提供側は、何を放映して何を放映しないかをコントロールして、自らの収益を増やす努力をすればいいだけじゃないだろうか。何をいつまでもグダグダ言ってるんだろう。

一方でこのような例もある。アメリカで放映されている人気アニメであるSouth Parkをご存じだろうか?なんと、South Parkは今全てのエピソードがインターネット上で全て無料で公開されている。TV放送の録画を渋っている我が国と比べると、なんという違いだろうか。もちろん、South Parkの例だけで判断してはいけないのだが、コンテンツを活かして収益を得るということに対する姿勢の違いを感じられずには居られない。

South Parkを観たい方はSouth Park Studioからどうぞ。(ただし全て英語)
http://www.southparkstudios.com/

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