ちょっと硬派なコンピュータフリークのBlogです。

カスタム検索

2011-10-26

フリー(自由な)ソフトウェアをインストールする自由を守るために立ち上がれ!

フリーソフトウェア財団がUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に実装されるSecure Bootによってソフトウェアの自由が侵害される危機について警笛を発している。UEFIとはBIOSを置き換える、あるいは後継のソフトウェアのこと。BIOSの後継にあたるだけあって、UEFIはかなり機能が充実している。Intel MacがEFI(*1)を採用しているのは有名な話だ。Secure BootはUEFI上に実装される機能のひとつであり、起動するOSのカーネルを限定する。

どのように限定するかが問題であり、限定の仕方によってはインストールするOSがベンダーが指定したものだけに制限される恐れがあるのだ。特にマイクロソフトがWindows 8互換のロゴをベンダーが取得する要件としてSecure Bootの搭載を要件として求めているため、フリーソフトウェア財団やRed HatのMatthew Garrett氏が懸念を表している。現時点ではどのような形でSecure Bootがマシンに組み込まれて出荷されるかについては不透明だが、実装次第ではWindows 8以外のOSを起動できなくするということが可能なのだ。

そのような事態になったら大変だということで、フリーソフトウェア財団は公式声明文「Stand up for your freedom to install free software!」において署名を呼びかけている。以下は筆者による声明文の翻訳である。

フリー(自由な)ソフトウェアをインストールする自由を守るために立ち上がれ!


以下は署名を呼びかけるための公式な声明文である。この話の背景についてより詳しく知りたい場合には、 http://fsf.org/campaigns/secure-boot-vs-restricted-boot にある我々のより詳細な解説などを参照して頂きたい。

マイクロソフトは「もしコンピュータメーカーが製品をWindows 8互換ロゴをつけて販売したいならば、それらのメーカーは「Secure Boot」という仕組みを搭載しなければいけない。」というアナウンスをおこなった。しかしながら、このテクノロジーは名が体を表すものであると認知されるか、それとも「Restricted(制限された) Boot」という名前を不名誉にも獲得してしまうかどうかが試されているところである。

確かに「Secure Boot」が適切になされれば、ブート時に認可を受けていないバイナリをロードしないようにすることでコンピュータをマルウェアから守ることができる。実際のところ、これはコンピュータが認可されていないオペレーティングシステムを起動できないということだ。例えひとたび認可を受けたシステムであっても、後に改変を加えると、再び認可されない限りは起動できなくなる。

これはその名前、すなわちSecure Bootを冠するに値する機能である。ただし、ユーザー自身がそのコンピュータ上で実行したいプログラムを認可することができる場合に限る。すなわち、自身が作成したり改変したフリー(自由な)ソフトウェアを、そのユーザー自身またはそのユーザーを信用する他のユーザーたちがそのプログラムを実行することができるということが条件となる。しかしながら、我々はマイクロソフトとハードウェア製造業者がこの起動時の制限の実装を、ユーザーがWindows以外のオペレーティングシステムが起動できないようなものにするのではないかと懸念している。もしそのようなことになれば、このテクノロジーは「Restricted Boot」と呼ぶほうがふさわしい。なぜならば、そのような要件はコンピュータユーザーにとって破滅的なものであり、まったくセキュリティ機能とは言えないからである。

そこで、どうか次の声明に署名して欲しい。これは、コンピュータメーカーや政府、そしてマイクロソフトに対して、あなたがこの自由を大切に思い、そしてそれを守るために活動するということを示す目的で利用される。

我々署名者は、すべてのコンピュータメーカーに対して、UEFIのSecure Bootと呼ばれる機能を、フリー(自由な)ソフトウェアのオペレーティングシステムがインストールできるようなものとして実装することを要請します。ユーザーの自由に敬意を払い、そして本当にユーザーのセキュリティを守りたいならば、コンピュータの所有者が起動時の制限を解除したり、フリー(自由な)ソフトウェアのオペレーティングシステムをインストールするための絶対確実な方法を選択肢として提供する必要があります。我々は、このような決定的に重要な自由が排除されたコンピュータを購入したり推奨することはないということをここに誓います。また、我々は活発的に我々のコミュニティに居る人々に対し、そのような牢獄に囲われたシステムを避けるよう奨励します。

ちなみに、この署名は公開署名であり、署名者の名前は署名者一覧のページで一般公開される。そのため、悪用を避けるため署名を確認(confirm)するためのメールが登録したメールアドレス宛に届くようになっている。

さあ、あなたもソフトウェアの自由を守るために一緒に戦ってみないか?まずはこの声明に署名することから始めてみてはいかがだろうか。また、フリーソフトウェア財団ではメンバーを募集しているので、ソフトウェアの自由を守りたいひとはぜひ入会して頂きたい。

明日を作るのは他でもない我々自身である。一人ひとりの力は小さいかも知れない。だが多くのひとの声が集まれば大きな困難も乗り越えられるだろう。明日の自由をつかめるかどうかはあなた次第なのだ!

  1. UEFIはもともとEFIと呼ばれていたが、管理がUEFIという団体に移管されたことによりソフトウェアの名称も変更された。詳細はWikipediaの記事(英語)を参照のこと。

2 コメント:

maro さんのコメント...

この問題について、あるブログでは
「Windows以外のOSの台頭を抹殺して今後300年くらいのマイクロソフトの独裁政権を、PCメーカーが良しと考えるかどうか」
という踏み絵に例えられていました。

ユーザーの割合で言えば、PC でフリーOSを使用しているユーザー数は極めて少ないので、
ユーザーというよりも、PCメーカーがマイクロソフトの独裁状態をどう考えるかの方が結果に大きな影響を与えることになりそうで、とても不安になっています。PCメーカーにとっては、Windows 以外のOSが起動できないPCを出荷した方が余計なユーザー応対に煩わされずに済みますから。
結果しだいで本当にフリーソフト(OS)の終焉がありえるので、本当に、心配しています。

Mikiya Okuno さんのコメント...

maroさん、コメントありがとうございます。

なるほど、踏み絵ですか。そのぐらい独占に対する強制力があれば、FTCによる調査が行われるべきだと思うのですが、なぜか行われない不思議な実態がありますね。

私も心配なので、引き続きこのブログで自由の大切さを訴えたり、署名を呼びかけたりするつもりです。

コメントを投稿