MySQL Clusterを使おう！

しばらく更新が空いてしまった。オトコたるもの言い訳をしてはいけないが、決してさぼっていたわけではない。記事の執筆を頼まれたため、そちらにかかりっきりになっていたのだ。書いていたのはコレ↓

ThinkIT2008年7月特集【データベース夏の陣】MySQL Clusterを試す！
http://www.thinkit.co.jp/article/95/

およそ一ヶ月で5回分も書かなければならなかったのは大変であった。ブログの更新が止まってしまったのは不本意であるが、オトコたるもの引き受けたからには完遂しなければならぬ！！そんなわけで頑張って記事を書いたので少しでも興味を覚えたら記事を読んでいただきたい。

特集ではMySQL次期バージョンである5.1とMySQL Clusterについて書いてあるが、それらはあまり関係がない。バージョン5.1の話はオマケである。特集のメインはMySQL Clusterだ。

データベースはその性質上、可用性（Availability）が求められる用途で使われることが多い。それはオープンソースソフトウェアであるMySQLでも同じことである。データベースが停止したら即サービスダウンに繋がるため、データベースが動き続けるというのは非常に大事なのである。可用性を向上させるために何らかの仕組みが必要になるのだが、その解のひとつがMySQL Clusterなのである。

MySQL本体にはクラスタリングなど可用性を向上させる機能はない。しかしMySQL Clusterを使うことで99.999%の可用性が簡単に手に入るのである。と同時に負荷分散まで出来てしまう優れものなのである。上手に使えば非常に安価に高速で可用性の高いデータベースサーバができあがってしまう。これもオープンソースソフトウェアの恩恵である。ビバ、OSS！！

MySQL Clusterはもともと、通信業者（電話会社）向けに大量のトラフィックを処理するために設計されたデータベースソフトウェアである。日本の電話会社においてもMySQL Clusterがサービス品質向上に貢献できることは請け合いであるが、MySQL Clusterが適合する分野は通信業界だけではない。通信業界と同様、大量のトラフィックをリアルタイムに捌かなければいけないコンピュータシステムは他にもあるのだ。

例えばものづくりニッポン！を代表する製造業。

工場のオートメーションシステムにおいてはラインコントロールのためのデータベースが欠かせない。工場にとってはラインが止まれば大打撃であるので、やはり可用性が求められるのである。しかも工程は次から次へ進んでいくのでリアルタイム性も求められる。現在は、高価なハードウェアやデータベースソフトウェアを利用することで可用性を向上させるケースが多いのだが、ず〜っと安価なMySQL Clusterで十分賄える。むしろこのようなシステムにこそうってつけだ！日本のメーカー企業がMySQL Clusterを活用して、コスト競争力を高めてくることを願う。

他には流通業界。配送の受け付けや配達記録などの情報が日々猛烈な勢いで飛び交う。もちろんそのような情報を記録・共有するシステムは大量のトラフィックを捌かなければいけないし、おいそれと停止してはいけない。データを失ってもいけない。ならばMySQL Clusterである！

金融業界。オンライントレーディングのシステムなどにもMySQL Clusterが適合するであろう。

挙げていくとキリがないので（その上もう眠いので）この辺にしておくが、MySQL Clusterは秀逸なシステムであるので様々な業界で使うことができるであろう。使えば必ずメリットがあるので日本でも広く使われるようになってほしい。そんな想いで記事を書いたのであった。そして、自分はそれをサポートすることで社会に貢献できればと願う今日この頃である。