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2017-09-07

db tech showcase 2017 tokyoで発表してきました。MySQL NDB Cluster 7.5と現在開発中の新機能について #dbts2017

ブログを更新するのは久しぶりである。ここのところ、ずっと缶詰めになってとある書籍を書いていたからだ。書籍は大詰めを迎えており、レビューワー&出版社とのやり取りが続いている。

そんな中、先日db tech showcase tokyoでMySQL NDB Cluster 7.5の新機能、そして今後予定されている新機能の中で、すでにDMRにおいて明らかになっているものについて、発表する場を頂いた。新機能の詳細については、以下のスライドを参照して欲しい。

正直なところ、今回紹介した新機能の中には、とてもワクワクするような派手目のものはない。でも堅実かつ着実に、既存のソフトウェアを改良する内容となっている。とりわけ、MySQL NDB Cluster 7.5は、MySQL 5.7との統合がなされているので、MySQL 5.7の豊富な新機能が利用できるのは大きな利点である。また、パフォーマンス・スキーマやndbinfoで取れる情報が格段に増えているのも大きい。問題の切り分け効率に大きな差が出てくるだろう。7.4以前のバージョンを使っている人は、ぜひ7.5へのアップグレードを前向きに検討して頂きたい。

さて、書籍についてであるが、これは本ブログのみなさんにとっては少々がっかりなものかも知れない。なぜなら、日本向けのものではないからである。

書籍のタイトルは、「Pro MySQL NDB Cluster」というもので、その名の通りMySQL NDB Clusterの解説書となっている。

出版元は、Pro MySQLやExpert MySQLといった書籍を手がけたApress社からである。Apress社は米国の会社であり、つまり洋書である。従ってメインのターゲットは英語圏のデータベース技術者ということになる。

本ブログの読者層の大半は、母国語を日本語としている方々であると思われるので、日本語でない書籍に手を出す方はそれほど多くないと考えている。もし、MySQL NDB Clusterに興味があり、なおかつ英語でも全く構わないぜ!という方がいらっしゃったら、購入していただきたいと思う。

本書が対象とするバージョンは7.5である。以前、私は技術評論社より、バージョン7.2を対象とした解説書を出版した。これまで、英語圏にはMySQL NDB Clusterをメインのターゲットとした解説書はなく、そういった意味では日本市場が唯一MySQL NDB Clusterの解説書を持つ市場であった。それはもうすぐ過去のものとなるだろう。バージョン7.2と7.5はかなり違っているので、すでに過去の書籍を持っている方も、知識のアップデートのために購入して頂いても無駄にはならないだろう。

すでにアマゾンでも予約が可能であるが、洋書なので結構良い値段になっている。

今回の執筆は、色々と初めての経験があり、思わぬ苦戦を強いられてしまった。英語で書くのも初めての経験であるし、共著というのも初めてである。執筆は、Jesperという同僚と半々ぐらいを分担して行った。彼の執筆能力は非常に高く、ものすごいスピードで原稿が進んだので、ペースを合わせるのが大変であった。お互い意見の合わないところがあり、多くの議論を交わし、お互いいくつか妥協するといったやり取りの必要もあった。そして最も苦労させられたのは、MS Wordによる執筆である。Windowsを持っていなかった私は、まずWindows 10のライセンスと、MS Officeのライセンスを購入するところから始めねばならなかった。MS Wordに触れたのは10年ぶり以上であるし、SharePointを使ったのは初めての経験である。Windows 10のライセンスは執筆に必要なので購入したが、Windows上でのMySQL NDB Clusterの動作検証に大いに役に立ったという、思わぬ収穫もあった。色々と苦労はしたが、終わってみれば良い経験だった、などとありきたりな感想を述べて、本エントリは締めたいと思う。

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