既に1/3が過ぎたが、今年はUPMCが熱い一年になるだろう。それを受けてかどうかは分からないがMicrosoftがWindows XPの販売延長を決めた。ただしHome Editionだけ。Windows XP HomeにはVista Basicがその代替になり得るはずだが、
UMPCにとってVistaは重すぎるという判断だろうか。そして
UPMCには製品の位置づけ的にもHome Editionで十分だろうということか?
今回のXP Home延命措置については
Steven J. Vaughan-Nichols氏が興味深いコラムを書いている。話の骨子は「Windows XP Homeは企業ではアクティブ・ディレクトリに接続すら出来ないので役に立たず、LinuxやMacにデスクトップ市場で客を取られるだろう」というものだ。
なるほどと思う。企業ユーザにとって、社内のネットワークに接続できるかどうかは非常にクリティカルな問題だ。このご時世、ネットワークに接続出来ないマシンは、ビジネスマンにとってもはや役立たずと言えよう。(ネットワークに接続出来ないと、メールすら見られないことになるが、そうなると何に使うのか分からない。)そもそもUMPCでなくても、Windows XP Homeは仕事では使えないのだから。
ビジネス以外の用途ならどうだろうか。パーソナルユースならメールやWebを見たり、写真を撮ったりPIM用途ぐらいにしか使わないという方もいるだろう。より小型で、言うなればソニーのmyloのようなデバイスでWindows XP Homeが適用できるだろうか?答えは明らかにNo!である。理由は、
- 小さなデバイスにはWindows XP Homeは重すぎる(起動時間が長いし動作がもっさりしてる。)
- カスタマイズが難しい(myloの画面を見て欲しい。専用のメニューだけが表示される非常にエレガントですっきりしたものである。)
- ライセンス料が高い(LinuxやBSDならタダで使えるし。)
などである。
Google Gearや
Firefox4のPrismがさらに洗練されれば、
ブラウザ以外のインターフェイスは何もないという男前なデバイスが登場する予感がしなくもないが、そこまで極端なものでなくても必要最低限のソフトウェアだけが動作するものの方が
UMPCのような小型のデバイスには望ましい。となるとWindows XP HomeよりもむしろWindows Mobileの方が小型デバイスには適している。
従って、以上のことを考えると今回のWindows XP Homeの延命措置は、残念ながら効果はあまりないと言わざるを得ない。MicrosoftがVistaを推進したいのは分かるが、ProでなくHome Editionを延命することにしたのは失敗だと思う。どうせXPを延命するならProの方がユーザに喜ばれるのは明白だ。Microsoftはもっと素直にユーザの声に耳を傾けるべきではなかろうか。
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