KVMに興味があり、これから勉強しようと思うのであれば、まずこの本を手にしてみるのがいい。
タイトルに偽りなし!
もくじは以下の通り。徹底してKVMの入門知識を習得するための筋道ができている。1. KVMと仮想化技術の基礎知識 1.1 仮想化とは 1.2 仮想化技術の流れ 1.3 仮想化のメリットとデメリット 1.4 IAサーバーと仮想化 1.5 CPUの仮想化支援機能 1.6 KVM(Kernel-based Virtual Machine) 2. パッケージによるKVMの導入 2.1 導入のための準備 2.2 Fedoraのインストール 2.3 Ubuntuのインストール 2.4 KVMパッケージのインストール 2.5 簡単な動作確認 3. 仮想マシンの作成 3.1 仮想マシン導入の基礎知識 3.2 GUI(virt-manager)による方法 3.3 コマンドラインツール(virt-install)による方法 3.4 KVM/QEMUエミュレータによる方法 4. 仮想マシンの基本操作 4.1 仮想マシンのライフサイクル 4.2 virt-managerによる基本操作 4.3 virt-managerの応用 4.4 virshによる基本操作 4.5 仮想マシンの設定ファイル 5. リソース制御と管理 5.1 KVMのリソース管理機能 5.2 CPU 5.3 メモリ 5.4 ストレージ 5.5 ネットワーク 6. KVMのマイグレーション機能 6.1 ライブマイグレーションの概念 6.2 ライブマイグレーションのパラメータ 6.3 ライブマイグレーションのしくみ 6.4 virt-managerによる操作 6.5 virshによる操作 7. コマンドラインによる操作(libvirtとvirsh) 7.1 libvirt 7.2 livirtによる仮想マシンの制御 7.3 libvirtの応用的なプログラミング 7.4 対話型コマンドインターフェイスvirsh 8. QEMU入門 8.1 QEMUとは 8.2 QEMUの歴史 8.3 QEMUのCPUエミュレーション 8.4 QEMUの2つのエミュレーション 8.5 QEMUのアーキテクチャ 8.6 QEMUのアクセラレーション 8.7 QEMUで動作可能なOS 8.8 QEMUを動かしてみる 8.9 qemuのオプション 付録 付録A ソースコードからのビルド 付録B Red Hat Enterprise Virtualizationインストールガイド 付録C virshリファレンス導入部「KVMと仮想化技術の基礎知識」が実に秀逸である。仮想化とは何たるかという説明から始まり、そして数ある仮想化技術の中でもKVMはどのような部類に属するかということが非常によく分かる。この章があるおかげで、仮想化ソフトの経験が無い人でもすんなりと仮想化のしくみを理解することが出来るだろう。
GUIフロントエンドであるvirt-managerを利用した操作方法は、スナップショットをふんだんに利用して懇切丁寧に解説するという徹底ぶりだ。さすが「徹底入門」という名前を冠する書籍である。筆者のように自分で操作しながら覚えるタイプの人間には冗長のように感じられるかも知れないが、一歩ずつ着実に確認したいタイプの人にとってはうってつけではないだろうか。これでvirt-managerの操作方法が分からなければ、ヘソで茶が沸くというものである。
まさに徹底入門!!看板に偽りなしである。
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