任天堂、スマホ向けアプリを年内に提供へ ゲーム移植は否定、専用機プラットフォームは堅持 - ITmedia ニュース
任天堂の思惑は分かりかねるが、個人的にはどうもそれは悪手のように思えて仕方がない。任天堂が苦戦しているのは分かるが、これまで築き上げたブランドがみすみす凋落していくのを見ているのも偲びない。
任天堂はソフトウェア特許に対してアグレッシブなので言いたいことは色々あるけれども、今回はそういった感情は脇に置いといて、「もし、自分が任天堂の経営者だったら」という視点で、復活に向けての戦略をひとつ紹介してみたい。
任天堂が作るべきものはDS Phoneしかない!
以上!・・・と言ってしまうのは味気ないので、少し補足しておこう。アップルはiPodに電話の機能をつけて大成功を収めた。任天堂がDSに電話機能をつけて、売れない理由が考えられない。既にコンテンツは充実しているし、配信プラットフォームだって持っている。電話機能をつければまさに無双。
DS Phoneは特に国内市場ではかなり堅い売れ行きが期待できる。6際の息子を持つ親として、周囲の友達等の状況を見渡すと、DSの浸透率には正直絶句する。もはやDSを持っていなければ友達の輪にすら入れない状態ですらある。
最近は子供に携帯電話を持たせたいと考える親が増えている。DS Phoneはメインのターゲットが極めてはっきりしているので売り込みやすい。どうせ電話もDSも買うなら、両方セットになったデバイスがあれば良いのにと考えるのは自然なことではないか。
携帯が大きくても不自然じゃない時代が来た!
DS Phoneをやるならもっと早い段階で始めるべきだったんじゃないか・・・そういう意見は尤もだと思う。だが、今の時代だからこそDS Phoneというものが世間から認知されるという事情もある。何故ならばDSはデカイからだ。DSはデカイく、これを電話と言い張るにはかなりの無理がある・・・とずっと思っていた。だが時代は変わりつつあり、今やスマホもデカけりゃいいんです!というムードが漂っており、ユーザーもそれを受け入れているように見える。その最たる例がXperia Z Ultraだ!!
参考:ASCII.jp:進撃のスマホ! 超巨大な6.4型「Xperia Z Ultra」|【au春スマホ】湾曲スマホに6.4型Xperia 注目ファブレット登場!
なんとディスプレイサイズは圧巻の6.4インチ。デカイ。一見するだけでは7インチタブレットと見分けがつかない。もはやタブレットとスマホの違いってなんだっけ?と言いたくなるぐらいの誤差だ。7インチタブレットがスマホと呼ばれる時代がもうそこまで来ているように思う。
6.4インチでもスマホと呼べるなら、DSを電話だと言い張っても全く問題はない。
もしも10年前の世界にタイムトラベルをして、6.4インチのスマホを公衆の面前で使用したならば、多くの人に指差され、好奇の目で見られることは疑いようがない。大画面液晶の製品が次々とリリースされ、今では画面が大きくなっても違和感がなくなった。
慣れというものは恐ろしい。
かつてW-ZERO3を所有していたことがあったのだが、当時としては異様にでかい端末で、周囲からは違和感があるともっぱらの評判であった。今ならW-ZERO3クラスの大きさの端末、いやもっと大きい(面積が)端末がゴロゴロしているので、きっと電話をかけていても違和感はないだろう。キーボードに皆ギョッとするかも知れないが。
もしも本当にDS Phone的なデバイスがリリースされ、多くの人が使うようになったら、きっとみんなその大きさに慣れてしまう。DS程度の大きさの端末で電話をするのが当たり前の風景のように、きっと見えるようになるはずだ。
大きさという観点で問題になりそうなのは、果たして子供がそれを持って電話をかけることができるかという点だ。流石に開いた状態では片手でホールドするのは難しいので、閉じた状態で電話をかけられるようにすべきだろう。そのためには外側にマイクとスピーカーを搭載すればOKだ。それでもやはり今の3DSのサイズは大きすぎるというのであれば、子供でも片手でホールドできるよう、少しは小型・軽量化する必要があるかも知れない。
プラットフォーマーであり続ける
任天堂がここまで大きな成功を収めたのは、プラットフォーマーであったという点が大きいのは周知の事実である。ここでスマホへアプリを提供、あるいはゲームを移植という路線に走ったら、プラットフォーマーから単なるゲームメーカーへと転身することになってしまう。ゲームメーカーとして任天堂が成功するかどうかは未知数である。確かに過去のゲームが成功したことによるブランド力は相当なものがあるし、きっとスマホ向けに移植されたゲームは人気が出るだろう。だが、当然ゲームの購入価格は下がるし、それを補うためにビジネスモデルの転換が求めらるだろう。アプリ内課金への道だ。
子供にゲームをやらせるとき、やはりアプリ内課金というのはどうも好ましくない。知らず知らずのうちに子供が課金してしまうのは怖いし、金払いの良し悪しでゲームの勝敗が決まるようなものは頭を使わないからゲームをやらせるメリットも乏しい。
今現在のDSは当然ながら、現在アプリ内課金に頼らないコンテンツで成り立っている。最初にゲーム代として支払う金額は大きいが、その後追加料金がかからないというのは安心である。DS Phoneなら既存のスマホとは異なる価格体系のアプリストアを構築することができるだろう。それは低年齢層向けの携帯端末として大きなアドバンテージになるはずだ。
スペックと価格
日本では当たり前のように賦課方式が行われているので、かなりハイスペックにして高額になっても全く問題ないだろう。現在のスマホぐらいの価格にしても特に問題はないはずだ。「iPhone 5s/5c」SIMロックフリー版、全国のApple Store店頭に - ケータイ Watch
一番安くても6万円超。それでも世界中で馬鹿売れである。任天堂もこのぐらいの価格で出せるのなら、技術的にもかなり欲張った作りにできるのではないだろうか。
ところでソニーはPSP Phoneを作るべきか
大いにそう思う。むしろ出さない理由を教えてほしい。任天堂におすすめしたいサイドビジネス
個人的に、任天堂がこれまでに培ってきたキャラクターにはかなりの価値があると思う。ディズニーに匹敵するとまでは言わないが、万人受けするものばかりだし、バリエーションも豊富だ。このキャラクターを活かしたビジネスをしない手はないと、個人的には思う。まず考えられるのはキャラクターのライセンシング事業だが、これは既に任天堂が手がけている。だが、そこまで大成功しているとは言い難い。キャラクターのラインナップを見るとかなり素地はあるのだが、いかんせん力の入れ具合が足りないのか、アプローチが良くないのか、キャラクターグッズの認知度は低いように思う。
もっとガツガツと、ディズニーやサンリオのやり方を真似てはどうか。ノウハウがなければ人材を引きぬいても良いのではないか。
最終的にディズニーのようなテーマパークまでたどり着けば大成功だと言える。読者の皆さんはリアルマリオランドがあれば是非遊んで見たいとは思わないだろうか?私は大いに思う。オッサンだが思う。いや、ファミコン世代のオッサンだからこそノスタルジー的にそういったものに憧れる部分があるのかも知れない。
もしテーマパークにまで漕ぎ着けることができれば、テーマパークとゲームの相乗効果によって好循環が生まれる公算が高い。ディズニーのテーマパークと映画のように。テーマパークとゲーム機のマッチアップの企画があればさらに面白い。
余談であるが、テーマパークと言えばジブリにもぜひ参入して貰いたいところである。世界的な認知度という点では厳しいが、国内ではディズニーに対抗できるぐらいのブランド力は持っていると思う。きっとジブリはそういったことに興味がないからやらないのだろうが、もしサイドビジネスが上手く行けば財政基盤がしっかりするので、映画製作もやりやすくなるのではないか。
据え置き型ゲーム機について
今後はValveの参入もあるのでさらに厳しくなるだろう。個人的にはWii Uのゲームパッドは正直意味が分からない。DSで操作できるようにしたほうがいいんじゃないのか。
まとめ
今回は(今回も?)かなり妄想をぶちまけて見たが、もし万が一任天堂がこの意見を参考にしてくださった場合には、自己責任でお願いしたい。成功しなかったとしても責任は取れないので悪しからず。(反対に、もし上手くいった場合にはFSFに寄付でもして頂けると嬉しく思う。)DS Phoneやテーマパークといったものはリスキーだと感じるかも知れない。だが、最近の任天堂はどうも保守的になり過ぎているように思う。リスクを犯さずに勝ち取れる成功はない。もう少し大胆な戦略をとるように舵を切っても良いのではないだろうか。
3 コメント:
記事拝見させていただきました。具体性があって面白い提案だと思います。
あ、でも、ソニーはちゃっかりpspフォンならぬ、Xperia playという端末をすでに発売していますよ。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/SO-01D
これの失敗っぷりを見ている僕としては、任天堂フォンはいけ好かないですね(^_^;)
でも出るならちょっと触ってみたいです。
SonyはPlaystationっぽい携帯を出してます。
http://www.sonymobile.co.jp/xperia/docomo/so-01d/
Atsushi Yamauchiさん、ttyさん、コメントありがとうございます。
返事が遅くなりすみません。記事を書いたときはすっかり忘れていたのですが、おっしゃる通りXperia Playがありましたね。次は「何故Xperia Playは失敗したのか」という記事を書きたいと思います。というか結論をいきなりいうと、Androidベースだからだと思うんですが、もし任天堂がDS Phoneを出すなら、DSに電話機能をつけるべきで、Android等にDSを乗っけるべきではないと思っています。
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