こいつのスペックを簡単に見てみると、
- コア数:1
- 命令セット:64ビット
- クロック周波数:1〜1.8GHz
- TDP:5〜25ワット
- プロセスルール:65nm
- FSB:800MHz
- L2キャッシュ:1MB
という感じである。
他の大きな特徴としてはC7とピン互換であるということ。C7は32ビットCPUであったが、Nanoは64ビットCPUだ。PCメーカーからすると、デザインを一切変更せずにCPUをすげ替えるだけで64ビットマシンになるのは嬉しい。メモリコントローラはチップセット側にあるので、64ビット命令に対応=大容量メモリのサポートとはならないのが玉に瑕だが、現行のC7用チップセットの最大メモリは4GBなのでNanoが狙うセグメントにおいてメモリが足りなくなるようなことは当面ないだろう。(いずれはさらに容量の大きいメモリをサポートするために新しいチップセットのリリースが望まれる。)Nanoはコア数が一つというのも特徴である。モバイルPCでは処理能力より消費電力が低いことの方が重要であることが多いので、コア数を抑えて消費電力も抑えたのはナイスな選択であるといえる。C7向けの統合チップセットも消費電力が低く抑えられているので、Nanoと組み合わせることで全体的な消費電力はさらに低く抑えることが出来るだろう。
というわけで、オトコの感想としてはNanoはエクセレントなCPU!である。
スペックを比べると分かるのだが、NanoはインテルのATOMとは競合しない。(と少なくともオトコはそう思っている。)ATOMはさらにモバイルに特化した(とがった?)CPUであり、命令セットも32ビットである。消費電力の面でNanoはAtomに遠く及ばない。従ってVIAの狙いはATOMとの直接対決ではなく、ATOMのひとつ上のセグメント、いわゆるモバイル版Core2・・・とも直接対決はせず、ATOMとモバイル版Core2との隙間に対する製品の投入だろう。ライバルのラインナップの隙間を突くのは戦略の常套手段だ。きっちりと隙間を埋めることが出来れば、必然的にNanoはそれなりに需要があるだろう。
一方でAMDはどうだろうか。このセグメントの製品ではTurionが一応の対抗馬ではあるが、モバイル版Core2やNanoと比べるとTDPがやや高い。もう一踏ん張り頑張って欲しいところである。
参考:スペック比較
Core2 Duo Mobile
- コア数:2
- 命令セット:64ビット
- クロック周波数:1〜2.33GHz
- TDP:20〜35ワット
- プロセスルール:45nm
- FSB:533〜667MHz
- L2キャッシュ:4MB
Turion 64 x2
- コア数:2
- 命令セット:64ビット
- クロック周波数:1.8〜2.4GHz
- TDP:31〜35ワット
- プロセスルール:65nm SOI
- FSB:1600MHz
- L2キャッシュ:1MB
Atom
- コア数:1
- 命令セット:32ビット
- クロック周波数:800MHz〜1.86GHz
- TDP:0.65W〜2.4W
- プロセスルール:45nm
- FSB:400〜533MHz
- L2キャッシュ:512KB
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