そこで、今回の買収によってIT業界の情勢(ライバル関係)はどのようになるかについて予想してみた。
Sun vs Oracle vs IBM
MySQLの買収劇と同時に、OracleによるBEAの買収というニュースもあった。BEAはIBMのWebsphereとガチである。一方、Sunもオープンソースベースではあるがアプリケーションサーバを持っている。従って、3つの企業はそれぞれOS(Solaris vs Linux vs AIX)、データベース(MySQL vs Oracle vs DB2)、そしてアプリケーションサーバを手にしたことになる。共にターゲットとする市場は企業の基幹系システムである。見事に三つどもえの体制ではないか。
Microsoft vs Google
こちらはデスクトップアプリケーション市場の争いである。かつて、Sunと言えばMicrosoftに仇をなす企業として有名であったが、今は既にその陰はない。(Sunの競争相手は上述のように変化した。)どちらの企業が勝るかによって、今後の業界の行く末は大きく左右されることだろう。現状は、デスクトップアプリケーションではMicrosoft、検索やWebポータル、WebアプリケーションではGoogleという状況だろうか。
ダークホースはLeopard発売以来勢いを得ているAppleか。iTunes Storeと.Macの存在も侮れない。
HP vs DELL
Sunはこちらの市場からも離脱しつつあるように見える。かつてサーバーと言えばSun、HP、IBMの牙城であったが、SunはSPARC系サーバーの開発を富士通へ委託し、IBMはデスクトップPC部門をLenovoへ売り払った。依然としてx86系サーバーの売り上げが好調なIBMであるが、デスクトップPC部門を売却したこと、IBM全体としてはサービスビジネスへシフトしていることから、この分野はIBMが最も注力する分野ではなと考える。従って、デスクトップPCとx86系サーバービジネスを主体にする企業としては、HPとDELLの一騎打ちとなるだろう。
EMC vs NetApp
SANか、NASか。ストレージ市場は今後どちらにシフトして行くだろうか。蓄えなければいけないデータは日々増加をたどる一方なので、ストレージ市場も目が離せない。
Intel vs AMD
巨人インテルに勝負を挑んだAMDであるが、ここのところ業績が思わしくない。ATI買収が失敗だったのではないだろうか。買収後、事業がうまく立ち行くかどうかは本当に難しい。うまくいった買収例を、筆者はあまり知らない。MySQLがダメにならないことを切に願うばかりである。
Cisco vs ...
ネットワークスイッチの市場はCiscoの一人勝ちである。いち早くライバルが出現してくれることを願う。SANスイッチではCisco vs Brocadeとなっているが、こちらは実質Brocadeの一人勝ちである。しかしネットワークスイッチとSANスイッチでは市場の規模が違う。実質、BrocadeはCiscoのライバルとはまだ言えないだろう。
今回の話は以上となるが、かなり筆者の独断と偏見が入り交じっているので、決して鵜呑みにすることがないよう注意して欲しい。
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