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2010-01-21

そろそろMySQL Workbench 5.2についてひとこと言っておくか。

MySQLといえば、コマンドラインで操作するしかできないようなイメージが世間では定着してしまっている気がするのだが、実はちゃんとGUIも存在する。

MySQLはかねてより(MySQL AB時代から)オフィシャルなGUIツールとして、管理ツールとしてMySQL Administrator、SQL文を編集&実行するためのQuery Browser、そして他のRDBMSからの移行ツールであるMigration Toolkitという3つのツールを提供していたのだが、先日それらのツールに対して開発終了のお知らせが出てしまった。

オフィシャルなGUIツールはもう無くなるのか?!!と思ってしまわれるかも知れないが、どうか焦らないで頂きたい。

現在、MySQLが提供するGUIツールとして活発に開発が続けられているものとして、MySQL Workbenchというものがある。このツールは、ビジュアル的に(実体相関図=EER図を使って)テーブルの設計を行うためのツールである。テーブルを設計しているときのイメージは次のようなものだ。



これは、MySQLが提供しているオフィシャルサンプルデータベースである「employees」をリバースエンジニアリングしたものであり、自分で設計したモデルではないので恐縮であるが、雰囲気だけでも掴んで頂ければと思う。(むしろ、簡単にリバースエンジニアリングができるので、既存のテーブルをちょいとビジュアル的に相関関係を表示したいという場合にWorkbenchは小回りが利いて便利。)さらに、スキーマの変更管理などが出来たりして、なかなか気が利いている点も見逃せない。そんなこんなでMySQL Workbenchは割と人気のツールだったりする。

MySQL Workbenchは現在進行形で進化を続けており、現在β版であるバージョン5.2では前述のMySQL AdministratorとQuery Browser相当の機能が加わっている!MySQL Workbencは、単にEER図を使ってテーブルを設計するだけのツールではなく、MySQL ServerへアクセスするためのSingle Point of Contactへと変貌しつつあるのである。

前置きが長くなったが、今日はそのMySQL Workbench 5.2について紹介しよう。MySQL Workbench 5.2を入手するには、ダウンロードページへアクセスして、「Development Releases」タブを開いて適切なプラットフォーム向けのバージョンをダウンロードして頂きたい。Windows、Mac、Linux向けのバイナリが用意されている。もちろんライセンスはGPLだ。

MySQL Workbenchは直感的に使えるツールなので、インストール方法や使い方の詳細については説明を割愛する。その辺の細かいことについてはマニュアルを参照して頂きたい。

MySQL Workbench 5.2では、次のようなホーム画面が追加されている。



この画面において、使いたい機能を選択するのだ、左から順にSQL Development(Query Browser相当)、Data Modeling(従来からあるWorkbenchの機能)、Server Administration(MySQL Administrator相当)となっている。

SQL Development機能を利用する場合には、まずは接続設定をするために「New Connection」ボタンを、Server Administration機能を使いたい場合には「New Server Instance」ボタンを押して、対象のMySQL Serverに関する情報を入力しよう。そうすればホーム画面に接続やインスタンスが表示され、アクセスできるようになる。

次はSQL Developmentの画面である。



SQLのキーワードがハイライト表示されたり、構文のチェックなどを行ってくれるので、入力のミスが低減することだろう。

次の画面はストアドプロシージャの編集画面だが、このように長文を編集するときにはさらに便利さを実感できるだろう。コードの折りたたみ機能もついている。



駆け足で進むが、お次はServer Administration機能の説明である。Server Administrationでは、
  • MySQL Serverインスタンスの起動と停止
  • 設定(my.cnf)の編集
  • ユーザーアカウントの管理
  • セッション(クライアントからの接続)の管理
  • サーバーのステータス監視
  • データのバックアップ
  • ログの表示
などの機能が利用出来る。また、負荷状況が一目で分かるグラフが常に表示されているので、管理対象のサーバーがどんな状態かがすぐに把握できるようになっている。



次は設定の編集画面であるが、設定値が機能ごとにカテゴリ分けされていて便利である。



次はバックアップ機能の画面である。現在のバージョンでは、まだバックアップのプロジェクトを作成したり、スケジューリングしたりといった機能はないのだが、ちょいとデータをバックアップしたい場合などにはいいだろう。(mysqldumpのラッパーなので、データ量が多すぎるときは時間がかかるので注意が必要!本番環境じゃなくて、テスト環境でデータを移行したいときなんかには便利かも知れない。)





そんなわけで今日はMySQL Workbench 5.2について紹介したが、MySQLをCLIではなくGUIで管理したいと考えているならば、是非MySQL Workbenchを試して頂きたい。


※追記1:バックアップ機能は建設予定地です。まだご利用になれません。
※追記2:MySQL Workbenchには、機能が強化された有償版もあります。
※追記3:Migration Toolkit相当の機能は、将来のバージョンに搭載予定です。

4 件のコメント:

  1. MySQL Workbench 5.2.16の画面を和訳してみてみました。よろしければ使ってみてください。
    http://sourceforge.jp/projects/oss-ja-jpn/releases/?package_id=10742

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  2. いつも勉強させて頂いております。
    MySQL WorkbenchのEER Diagram機能についてですが、もしご存知であれば、教えて下さい。
    EER Diagramを手動で作成する場合、テーブル名の背景は水色となってますが、既存データベースから読み込んで作成すると、テーブル名の背景が黒色となり、テーブル名が見えなくなってしまいます。
    背景色の変更が出来ればよいのですが、見つける事が出来ませんでした。
    もし解決法をご存知でしたら教えて頂ければと思います。

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  3. shuさん、

    プラットフォームはOSXでしょうか?であればBug #57715に該当しているかも知れません。

    http://bugs.mysql.com/57715

    もしよろしければバグレポートにコメントなどを残して頂けるとありがたいです。

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  4. 早速のご回答ありがとうございます。
    プラットフォームはWINDOWS7 および WINDOWS XPです。
    状況が全く同じなのでBug #57715の事だと思います。ありがとうございました。
    バグレポートへのコメントは英語が不得意な為、時間はかかると思いますが、投稿しておきたいと思います。

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