米Microsoftが米Yahoo!に買収を持ちかけたと報道された。
先日の記事で書いたとおり、Microsoftの標的はGoogleだ。デスクトップアプリケーションよりもWeb上のサービスへ「デスクトップ」の主戦場が移動した現在、Microsoftの目には多くのユーザーを有するYahoo!がGoogleと戦うための上ない戦力に写ったのであろう。
Microsoftはつい先日にもFast Searchも買収した。Googleを標的と定めたとはいえ、この徹底ぶりには感心する。Microsoftと言えばNetscapeを潰したときの戦法、番手から猛烈に追いかけて、独占的なデスクトップを利用して相手を妨害するというものが有名だ。
ただし巨額の資金を投入すれば良いというものではない。巨額の開発費を投じたWindows Vistaがパッとしないのと同じように、Webのトラフィックは「金をかければ稼げる」というものではない。なぜならそれは流動的でカオスな性質を持っているから。そもそもMicrosoftとYahoo!では使ってる基板技術に差がありすぎる。(Microsoftは言わずもがな自社製を、Yahoo!はFreeBSDやMySQLなどのオープンソースソフトウェアを使用している。)そうなると両者の開発者たちのスキルセットにも歴然とした違いが見受けられるだろう。そのような開発者たちをうまく連携させることは至難の業ではなかろうか。大きな買収の場合、お互いが崩れるという危険性もある。というわけで個人的には今回の買収は非常にリスクをはらんだものであると思っている。
ところで、この言いぐさはないだろう・・・。
「Web検索市場は米Googleが支配しており、米Microsoftと米Yahoo!が合併しなければ、市場競争は減じるばかりだ」
俺はこう言い返したい。
「デスクトップ市場は米Microsoftが支配しており、米MicrosoftをOSとOfficeにおいて分社化しない限り市場競争は減じるばかりだ」
独占企業だから出来るこのようなワザもある。
「マイクロソフト、2月13日よりWindows XPに“自動更新”でIE7を配布」
これはブラウザにおける不当競争ではないだろうか?
Yahoo!の買収が成立するにしろ、失敗するにしろ非常に見物である。
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