ではどうしてそのようなモジュールの中身をわざわざ研究するのか?それは単に興味があるからである。
さて、前置きが長くなったがmod_dbdが具体的にどのようなことをしてくれるかというと、
- MySQLやPostgreSQL、SQLiteなどのデータベースドライバのラッパーになる。
- コネクションプール(未使用時にもコネクションをキープする機能)を実現する。
- マルチスレッド環境において、スレッドセーフなコネクション管理を実現する。
つまり言い換えると、どんなDBMSに接続しているかを特別意識せずにアプリケーションの開発が行えるので移植性が高いコーディングができ、自前でコネクションプールを実装しなくてもそこそこ高い性能が得られ、スレッドセーフなのでデータベース操作時に排他制御をする必要がない、ということである。
具体的な使用法はmod_dbdのマニュアルページ↓に書いてあるのだが、イマイチ要領を得ない。
http://httpd.apache.org/docs/2.2/ja/mod/mod_dbd.html
以下の5つの関数をAPIとして解放しているのだが、一体どうやってクエリを実行するのだろうか?
AP_DECLARE(ap_dbd_t*) ap_dbd_open(apr_pool_t*, server_rec*); AP_DECLARE(void) ap_dbd_close(server_rec*, ap_dbd_t*); AP_DECLARE(ap_dbd_t*) ap_dbd_acquire(request_rec*); AP_DECLARE(ap_dbd_t*) ap_dbd_cacquire(request_rec*); AP_DECLARE(void) ap_dbd_prepare(server_rec*, const char*, const char*);
これではせっかくプリペアードステートメントの準備は出来ても、実際にそれを使用できないじゃないかと思うかも知れない。そもそもクエリを実行するAPIがないじゃないか?!と。
実はmod_dbdはapr_dbdで使用するためのコネクションを管理するだけなのである。ap_dbd_acquire関数などの引数になっているap_dbd_t構造体がミソで、その中身は次のようになっている。
typedef struct { apr_dbd_t *handle; apr_dbd_driver_t *driver; apr_hash_t *prepared; } ap_dbd_t;
ap_dbd_tの中にはapr_dbd_tが格納されていて、これがapr_dbdが使用するコネクションハンドラとなる。後はapr_dbdの各種関数を利用して、データベース操作を行えば良い。(ap_dbd_tとapr_dbd_tの二つの構造体は一文字しか違わないので紛らわしい。)
apr_dbdについては下記のドキュメントを参照して欲しい。
http://apr.apache.org/docs/apr-util/1.2/group___a_p_r___util___d_b_d.html
以上のことから、mod_dbdの使用法をまとめると、
- httpd.confのディレクティブを用いて接続先やプールに関する設定をする。
- ap_dbd_acquire関数などを用いてコネクションハンドラを得る。
- apr_dbdを用いてデータベースを操作する。
そのうち暇をみつけたらmod_dbdを使ってサンデープログラマをする予定である。
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